アメリカの主な色板ガラスメーカー
アメリカでは1878年にルイス・コンフォート・ティファニーが、自然界に存在する色彩をガラス自体に持たせようと、色ガラスの開発に着手し、虹色のファブリルグラスを発明しました。また乳白色に複数の色ガラスが混じり合うオパールセントガラスを独自に製造しさまざまなガラス工芸作品を制作しました。ティファニーは本書で使用されているカッパーテープ技法を開発し、窓のためのステンドグラスパネルだけでなく、質の高い技術とデザインの立体的なドーム型をしたランプシェードを多数多く制作したことでも知られています。
現在アメリカでステンドグラス用の色板ガラスを製造販売している工場の多くは、ティファニーのガラスの再現に力を入れています。
オセアナ社
リングモトルなどの微妙な配色の美しさを持つ色板ガラスは、手作り(ハンドロール)されるため生産に手間と時間がかかり、高価ですが、ティファニーランプのレプリカ制作には欠かせないガラスです。
オセアナ社・ヘリンボーンリップル
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ココモ社
アメリカにおける最古のステンドグラスメーカーで、具象作品に適した自然な色合いのガラスを多く生産しています。
ヤカゲニー社
和紙のような、半透明に光を通すスティップルが特徴的です。
ヤカゲニー社・スティップル
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ウロボロス社
オパールセントモトルガラスの草分け的メーカーです。フュージング用ガラスに力を入れており、フュージョン FXというシリーズは膨張係数90(COE=90)のフュージング用ガラスです。
またシステム96というシリーズはスペクトラム社と共同で開発した膨張係数96(COE=96)に合わせたフュージング用ガラスのプロジェクトです。フリット、パウダー、コンフェティ、ストリンガー等も製造しています。
ウロボロス社・リングモトル
ウロボロス社・フラクチャー&ストリーマー
ブルズアイ社
ブルズアイ社はもともとは手作りでキャッツポー(猫の足跡)と呼ばれる独特な模様のステンドグラス用色板ガラス等を製造しているメーカーですが、同社の膨張係数を90(COE=90)に設定したブルズアイ・コンパティブル(BUF/BUT)シリーズは、色数が多く発色も鮮やかで、現在多くのキルンワークガラス工芸で使われています。また、色板ガラスだけでなく、組み合わせて使えばさまざまな表現が可能なフリット、パウダー、コンフェティ、ストリンガー等も製造しています。なお、ストライキングカラーなどの、焼成後に色が濃くなったり変色するものがありますので、作品を制作する前には必ずテストピースを焼成してみる必要があります。
ブルズアイ社・コンパティブル
ブルズアイ社・マルディグラシリーズ
ブルズアイ社・マルディグラシリーズ
スペクトラム社
色数もテクスチャーの種類も多い機械で作られたガラスは厚みが均一でカットしやすく、価格も安価でステンドグラス用色板ガラスしてはとてもポピュラーなメーカーです。
スペクトラム社は近年フュージング用ガラスに力を入れており、システム96シリーズはウロボロス社との共同開発による膨張係数96(COE=96)に合わせたフュージング用ガラスです。フリット、パウダー、コンフェティ、ストリンガー等も製造しています。ガラス自体に気泡や目立つ不純物などが入っていないので、焼成後の作品には透明感があります。
スペクトラム社・バロック
スペクトラム社・ウィスピー
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