沖縄琉球ガラス工芸とんぼ玉体験しょっ!

とんぼ玉作りの基礎知識

とんぼ玉はバーナーを使ってガラスを熔かし、それを芯になる棒(巻き取り線)に巻き取って作ります。作業に入る前に、まずはとんぼ玉作りに必要な道具と材料、さらにバーナーの使い方やガラスの熔かし方といった基本テクニックをここでおさえておきましょう。

とんぼ玉作りに必要な道具

とんぼ玉作りの第一歩は道具を揃えることから。
本書ではガスバーナー(エアバーナー)を使用してとんぼ玉を作ります。
なお、ここで紹介するひっかき棒やフラットナーといった道具類はバーナーワーク専用のものですが、ふだん家庭で使っているものや100円ショップなどで手に入るもので代用することも可能です。

とんぼ玉作りに必要な道具

道具1,2.jpg
1.バーナー用ブロー(送風機)
エアバーナーとセットで使用。バーナーに空気を送り込むことで、炎の温度を調節する。
2.エアバーナー
ガスバーナーにはエアバーナーと酸素バーナーがあるが、本書ではエアバーナーを使用。これを使ってガラスを熔かす。都市ガス用とLPG(プロパンガス)用がある。


道具3.jpg
3.エプロン
衣類を保護するために着用。
4.保護用メガネ
*代用⇒色の薄いサングラス 飛び散ったガラスの破片が目に入らないよう保護する。


道具5~12.jpg
5.ひっかき棒
*代用⇒千枚通し、目打ち 玉に模様をつけるときに使う。
6.ピンセット
余分なガラスを取り除いたり、細工するときなどに使う。先が細いものと太いものの2本あると便利。
7.フラットナー(トング)
*代用⇒シュガートング 熱いガラスをはさんだり、おさえたりして形を作る。
8.シャープノーズプライヤー
*代用⇒ピンセット ひご棒を作るときや、余分なガラスを取り除いたりするときに使用。
9.カーボンコテ
*代用⇒左官コテ 熔かしたガラスの形を整えるときに使う。
10. 鉄板
*代用⇒タイル 制作中のガラスをコテでつぶしたり、ポンテを作るなど、ガラスが熱いまま作業をするときに使う台。
11.クイ切り
12.ヤスリ
ガラス棒をカットするときに使う。


道具13~16.jpg
13.巻き取り線
とんぼ玉を作る際の芯として使う。これがとんぼ玉の通し穴になる。何種類かサイズがあるが、本書ではおもに使いやすい直径3mmのものを使用。
14.ガラス棒を置く台
熱くなったガラス棒を置くための台。専用の台もある。
15.離型剤
とんぼ玉から巻き取り線を取り除くもの。水で溶いた離型剤をあらかじめ巻き取り線の先につけておく。
16.徐冷剤
お菓子の空き缶などにバーミキュライトを入れたもの。出来上がった熱い状態のガラスを、割れないよう徐々に冷ますために使う。


道具17,18.jpg
17.ガラスのクズ入れ
余分なガラスを取り除いたときに出るガラスのクズを入れる。ビンや空き缶に水を入れたものでOK。
18.ビーズホールクリーナー


とんぼ玉作りの基本材料

とんぼ玉作りに必要な基本材料は、ガラス棒、巻き取り線、そして離型剤。
この3つと道具が揃えば、とんぼ玉を作ることができます。

ガラスについて

ガラスには軟質ガラスと硬質ガラスがあり、とんぼ玉作りではガラスロッドと呼ばれる軟質ガラスのガラス棒を使用します。軟質ガラスには鉛ガラス(クリスタルガラス)とソーダガラスがありますが、本書では加工しやすい鉛ガラスを使っています。なお、メーカーによって膨張係数が異なるので、購入の際は同じメーカーのもので揃えること。また、鉛ガラスとソーダガラスを混ぜて使うことはできるだけ避けてください。

ガラスの切り方

ガラスの切り方A.jpg
A、クイ切りを使って切断、


ガラスの切り方B.jpg
B、切りたい部分にヤスリでキズをつけ、その部分を折るようにカットする、
の2通りの方法があります。


離型剤について

とんぼ玉は熔かしたガラスを芯になる巻き取り線に巻きつけて作りますが、玉を直接、巻き取り線に巻きつけるとガラスがくっついて取れなくなるため、あらかじめ巻き取り線に離型剤をつけておく必要があります。

離型剤の作り方
1.空きビンに離型剤を入れる。
2.水をビンいっぱいまで入れる(練らないこと)。
3.上水を捨てる(粉が沈殿している状態)。
4.再び水を入れ、今度は混ぜてしばらく待つ。
5.粉が沈殿したら上水を捨てる。これを2回ほど繰り返す。
6.少量ずつ水を入れて、適度なねばりにする。
※半日以上、寝かせると、離型効果がアップします。

離型剤の使い方

離型剤1,2.jpg
1.毎回使う前に、離型剤の液の濃淡が均等になるように練る。
2.離型剤の入ったビンに巻き取り線を入れ、巻き取り線の先端5cmぐらいのところに離型剤をつける。


離型剤3.jpg
3. 離型剤をつけた部分をバーナーの炎の上であたため、湯気が出る程度に表面が乾いたら、火から離して自然乾燥させる。
※とんぼ玉を作るときは、あらかじめ作る本数分、3.で作った巻き取り線を用意しておくとよい。